子供の養育費について

子供がいるなら、養育費の問題はさけて通れません。離婚を急ぐあまり、そのときの状況や感情だけで決めてしまうと、後々のトラブルにも繋がりかねません。

養育費とは、子供を育てていくために必要なすべての費用のことを言い、衣食住の経費や教育費、医療費、交通費、娯楽費、保険料などを含めた金額です。

離婚しても子供の親であることに変わりはありませんので、どちらが親権を持つかに関わらず、どちらの親も子供を育てる責任があり、養育費を分担する義務があります。

離婚の際に、夫婦の協議で「養育費は一切支払わない」というような取り決めをしても、子供には全く関係ないことなので、将来のある時期に子供から養育費の支払いを求められる場合もあります。

親同士の取り決めで子供の請求権が失われることはありません。
養育費は、親の当然の責任として子供に支払うものだという認識が必要です。

養育費の支払いの実情

養育費に関する取り決めをしても、支払いが長期にわたるという性質から、時間の経過とともに約束を守らなくなることもあるようです。

厚生労働省による「平成23年度全国母子世帯等調査結果報告」によると、母子世帯の母で、「養育費の取り決めをしている」と回答したのは 37.7 %となっており、養育費の受給を「現在も受けている」と回答したのは僅か 19.7 %となっています。

この調査結果からみると、6割以上の母子世帯が養育費の取り決めを行っていません。
更に、現在も養育費を貰っているのは僅か2割にも満たないといった数字とあわせて考えると、養育費の取り決めをしても実際には約束が守られていないケースも多いという現状も見えてきます。

養育費の取り決めをしない理由については、「相手に支払う意思や能力がないと思った」が最も多く、次いで、「相手と関わりたくない」となっているようです。

ですが、養育費を受給するのは子供の権利であり、子供を養育していく親は子供の代弁者として、もう一方の親と粘り強く話し合い、きちんと取り決めを行うべきものと思います。

養育費を支払う側の親からしても、子供の成長を経済的な面から支える事で、親としての責任と愛情を注ぐことに繋がるのではないでしょうか。

養育費の金額と支払期間

養育費の支払金額や支払期間は、離婚する前に夫婦で話し合って決めるのが理想的です。

養育費は、慰謝料や財産分与等の一時的費用ではなく、毎月かかる費用であることから、毎月払いの定期金として支払うのが原則です。ただし、将来の支払に不安があったり、一時金で請求するほうが良いときもあります。

養育費をいくらにするかは、現在、子供にいくら費用がかかっていて、子供が成長する過程でどのような費用が必要になるかを夫婦で検討した方が良いでしょう。

そのうえで、お互いの経済力や生活水準を加味したうえで、具体的な金額と支払方法を決めておけば、後々のトラブルを避ける事が出来ます。

また、家庭裁判所において、養育費又は婚姻費用の算定をする際に目安としている資料「養育費・婚姻費用算定表」もありますので、そちらを参考にするのも有効です。

続いて養育費の支払期間ですが、高校を卒業するまで、成人に達する20歳まで、大学を卒業するまで等のどちらかが一般的ですが、どちらの場合も期間は明確に決めておくべきでしょう。

夫婦の話し合いで養育費の金額や支払期間等の取り決めができない場合は、裁判所による調停・審判で決めることになります。

養育費の支払額変更について

養育費というのは、子供が成人するまでの費用なので、子供の年齢や人数にもよりますが、相当な長期間の支払いになります。

支払い期間が長期に及ぶということは、離婚後に社会情勢が変化したり、それぞれの経済事情の変化や再婚等による生活事情の変化も起こりえますし、それ以外にも予測のつかない変化も起こります。

双方で話し合って合意すれば、養育費の金額や支払期間を変更することは可能です。話し合いで合意できなければ、家庭裁判所に調停を申し出ることもできます。

ですが、原則的には離婚時に決めた養育費の金額や支払期間は、簡単に変更することはできないと考える必要があります。

家庭裁判所の審判で養育費の変更が認められるのは、失業や転職、どちらかの再婚など、経済的な事情が離婚時と大きく変化した等の、養育費の変更を認めざるを得ない正当な理由が必要になってきます。